52.ドイツと日本の戦後の違い
東ドイツはソビエト連邦による社会主義国に、西ドイツはアメリカなどによる資本主義国にと。
一見、国が分断されて植民地のように支配されたように見えるが、ドイツ国民は文化を捨てることはなかった。
そして20世紀末に元通りに一つになった。
翻って我が日本を見てみると、確かにソビエト連邦とアメリカによる分断の計画もあったと言う。
東日本が社会主義国で、西日本が資本主義国という形にする案である。
だがそれは実現しなかった。
その代わりに憲法や教育による民族改革が行われた。
その結果が今の日本民族である。
もし日本分断計画が実施されて民族改革が行われなかったとしたら、日本人も文化や精神性を見失わずに済んだかもしれない。
そして分断されたこの国は、ドイツと同じように20世紀末に元通りになっていただろう。
だがその場合に日本人の心の奥底に復讐心が残っているかが問題になる。
ドイツの場合は戦争を先導したのはナチスであり、それを悪とすることで復讐することは考えていないと思われるが、日本の場合はどうだろう。
大日本帝国日本軍が先導した開戦であったが、戦争景気に沸く国民もそれに追随する心持ちではなかっただろうか。
そうした場合にGHQによる戦後教育が行われなかったら、この国もISのように復讐に燃える国になっていたかもしれない。